3．既存メソッドのエイリアスを自作する。自作関数はできるだけ短く、また類推不可能な名称に
先程のページで、JavaScript内の日本語をASCII文字（英数字only）にするために、日本語をString.fromCharCode()メソッドを使って疑似暗号化したのですが、ファイルサイズが増えすぎたことが難点でした。そこで頻出するString.fromCharCode()メソッドのエイリアス（コピー）を作成して、コンパクトにしてみます。やり方は簡単です。「msg1 = String.fromCharCode(******);msg2 = String.fromCharCode(******);msg3 = String.fromCharCode(******);」とあったとしますと、「s = String.fromCharCode;msg1 = s(******);msg2 = s(******);msg3 = s(******);」とします。
こんな簡単なコピー（代入方法）の仕方で、コピーできてしまうなんて。最初は私もびっくりでしたが、主要なブラウザですべて動きます。チェックしたブラウザは下記の通りです。
| Windows | ||||||
| IE7 RC1 | IE6 | IE5.5 | Firefox 1.5.0.7 | Netscape 7.1 | Opera 9.02 | |
| ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
| Windows（古いブラウザ） | |||||
| IE 4.01 | IE 5.01 | IE 5.0 | Firefox 1.0.1 | Netscape 4.75 | Opera 7.23 |
| ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| Mac（主要ブラウザ。Macユーザーの95%近い方は下記のブラウザのうち、いずれかを使用しています。） | ||||||
| Safari 2.04 （Tiger） | Safari 1.32 （Panther） | IE 5.23 （Tiger・Panther） | Firefox 1.5.0.7 （Tiger・Panther） | IE 5.17 （OS 9.2.2） | IE 5.0 （OS 9.2.2） | Netscape 7.1 （Tiger・Panther） |
| ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
| Mac（マイナーブラウザ。Macユーザーの数%は下記のブラウザを使用しています。） | |||||
| Opera 9.02 （Tiger・Panther） |
Firefox 2.0 RC1 （Tiger・Panther） |
Firefox 1.07 （Tiger・Panther） |
Camino 1.03 （Tiger・Panther） |
Netscape 7.02 （OS 9.2.2） |
iCab 3.03 （Tiger・Panther） |
また、ついでに、「alert」もやたらと出てきますので、「a = alert;」としておきます。
これにより、ソース2-2に比べてソース3-1は約7%のファイルサイズ縮小に成功しています。
しかし、これでも、ソース1-2に比べれば、1.8倍以上のファイルサイズになっています。そこで、さらにソース3-1を見てみると、「document.myForm.email.focus();return false;」がやたらと多いことに気づかされます。入力ミスがあった場合に、すぐにメールアドレスの修正をしてもらえるように、メールアドレスの入力欄にフォーカスを当てつつ、「return false;」することで、それ以上処理が進まないようにしています。
これを関数化すれば、ファイルサイズは縮小します。ただし、「return false;」まで共通だとして関数化しますと、FirefoxなどMozilla系ブラウザで期待どおりに動かなくなるため注意が必要です。「document.myForm.email.focus();」のみ関数化します。以下のようになります。
こうするだけで、ファイルサイズは3-1に比べて、3-2は約5%も少なくなりました。関数名はここでは、ai()としましたが、短ければ短いほど分かりにくいです。また、大文字と小文字はJavaScriptでは区別されますので、ai()とAi()は別の関数になりますので、これを応用すれば、より分かりにくくすることが可能です。実際、某大手広告の広告配信用JavaScriptでは、この手法が用いられています。
この難読化したソースを実際に外部ファイル化して、下記の入力フォーム・サンプルで入力チェックができるようにしています。難読化しても問題なく動作することを確認してください。
| ▼ よくある入力フォームとJavaScriptによるチェック（検証用サンプル） |
目次：
- 改行やタブをなくす・コメントを省く
- 日本語メッセージを英数字だけの文字列に変換する
- 既存メソッドのエイリアスを自作する。自作関数はできるだけ短く、また類推不可能な名称に
- よく出てくるオブジェクト名などを短くする
- 不要なスペースを削除する
- URLエンコードを利用する
- アルファベットを一文字ずつずらす+evalメソッド（疑似暗号化）
- ビット演算子を活用する
- String.fromCharCodeメソッドを少し変形させる
- その他のテクニック
- 専用ソフトを使用する
